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2005年05月21日

オトシブミのゆりかご2

(美地麗湖 : 2005年05月21日 23:30)コメント (3)

 今日はオトシブミ類についての、フィールドでのレクチャーがあったとのことで、蛇足になるかもしれませんが いちおう、ヒメクロオトシブミのゆりかごの作り方を。
 材料は、今日はバラの葉っぱで。コナラやクヌギ、フジの葉なども材料になります。

(1)まずは下ごしらえから。バラの葉っぱに、中心の葉脈だけ残してちょきちょきと切れ目を入れます。中心の葉脈にも傷をつけてあるようですね。上から見るとこんな感じ。

lake050521a.jpg 12:06


(2)葉っぱが少ししんなりしてきたら(所要時間不明)、葉脈を中心にして、折り目を付けます(前の記事のヒメクロかあさんBの写真を参照)。葉脈に沿って上下しながら、時折折りたたむ動作をします。
 ヒメクロかあさんBは、ちょっとかための葉を選んでしまったようで、苦戦していたような気がします。対照的に、ヒメクロかあさんCの選んだ葉っぱは、サイズも小さいし虫食いがあったりしてしょぼいのですが、見るからにやわらかそうで、ゆりかごの作成もちゃっちゃとすんだような感じです。

lake050521b.jpg

 卵からかえった幼虫にとっては、どちらがいいのでしょうね。


(3)葉っぱがじゅうぶんにしんなりして、折り目が付いてきたら下から巻き始めます(出演はヒメクロかあさんA)。

lake050521c.jpg

 立ち読みした図鑑によると、この程度の、少しだけ巻いたタイミングで卵を中に産みつけるようです。


(4)さらに巻き上げていきます。

lake050521d.jpg 12:11  lake050521e.jpg 12:17

lake050521f.jpg 12:20  lake050521g.jpg 12:25


(5)このあたりから最後の仕上げに入るようなのですが、ヒメクロかあさんAはこの状態で工事現場から離れてしまいました。

lake050521h.jpg 12:28

 葉っぱがもっとしおれるのを待っているのかと思ったのですが、他の葉に移動してしばらくウロウロしていました。いいのか、こんなんで。

 というわけで、最後の仕上げはヒメクロかあさんBに出演してもらいます。

lake050521i.jpg 12:53  lake050521j.jpg 12:57

lake050521k.jpg 13:03  lake050521l.jpg 13:06


(6)巻き終わった後、ゆりかごを抱きかかえて名残惜しそうにしているように見えたのですが、最後のチェックを入念にしているのでしょうか。


(7)巻き終わったら、どこかへ飛んでいきます。大仕事、お疲れさまでした。


コメント

できあがったゆりかごは、よく見かけますが、こうやって作っていたのですね。
人間で喩えると何十畳もある敷物を空中で折りたたんでいくわけで、6本の肢と強いアゴがあるとはいえ、やはりスゴイ技だなと思います。

投稿者 しまりん : 2005年05月22日 10:30

13:03の写真と13:06の写真に写っている小さな黒い点はハチ?オトシブミの幼虫に寄生するのでしょうか。

投稿者 tosaka : 2005年05月22日 20:58

ご指摘の黒いつぶのこと、登坂さんのコメントを読むまで深く考えませんでしたが
写真を拡大してみると、ハチのように見えます。
せっかくなので、写真をみていただくために
もう1本記事をアップします。

アパートやマンションの面積よりも広いシートを空中でたたみ、
その途中に出産もして、あげくに、ハチだのハエだのに寄生されてしまう・・・
ヒメクロかあさんたちも、大変です。

投稿者 美地麗湖 : 2005年05月22日 22:26

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