2005年08月23日
長池公園にヒメキンミズヒキは有るのか?
(木原 章 : 2005年08月23日 17:28)コメント (2)
2004年10月に撮影したキンミズヒキと思われる花の写真を「ヒメキンンミズヒキ」として投稿した。その時は、その場にいた専門家の同定に従ってそうしたのだが、一年経って公園を歩いていても一向にヒメキンミズヒキを見かけない。
そこで、夏休みの旅行先で、キンミズヒキと、明らかにヒメキンミズヒキと判る花の撮影をしてきたので、その違いをもう一度考えてみる事にした。
キンミズヒキとヒメキンミズヒキの違いは、ネットで調べると、下記のようだ。
キンミズヒキ | ヒメキンミズヒキ | |
形態的特徴 | 小葉が5〜11枚で、先端が尖っている | 花も,植物全体も小さい。小葉は3〜5枚で先端は鈍い。 |
全体写真 | ![]() | ![]() |
花の特徴 | 花の径が8〜10mmで、雄しべの数が10〜13本、花弁の幅が広く、果実は径4mmほどである。 | 花は小さく径5〜7mmで、雄しべの数は5〜6本、果実は径2mmほどである。花弁が細い。花序につく花の数が少ない |
花の写真 | ![]() | ![]() |
さて、以上の違いに基づいて、問題の写真を見てみよう。

大きい、小さいは、写真からは判らない。葉のとがり具合は、実は上記の写真でも良く判らない。しかし、花びらの形態は、あきらかにキンミズヒキだ。
と言う事は、他に例が出てこない以上、現時点では長池公園ではヒメキンミズヒキの生息は未確認と言うことのようだ。
コメント
木原さん、こんばんは。ほとんどの図鑑で無視されているヒメキンミズヒキに注目していただいてうれしいです。ヒメキンミズヒキは、花弁の形や雄しべの数は変異が大きく、これだけに着目していると見誤る事があります(キンミズヒキとも雑種をつくるようです)。葉裏のキラキラとする腺点が少なく、小葉の先が丸いこと、鋸歯が丸みを帯びること、果実が圧倒的に小さいことが大事な特徴です。さらに、図鑑にはあまり記述がありませんが、ヒメキンミズヒキは少し踏み固められた山道などの半日陰に生え、キンミズヒキは明るい林縁や草地が好きで、ほぼ、ニッチを棲み分けています。長池の植物リストでヒメ〜を挙げたのは私で、どこで確認したかをはっきり思い出せないのですが、この植物の同定には自信がありますので、「かつては確かにありました」としか言えません。ヒメキンミズヒキは決して珍しい植物ではありませんので、再度探してみたいと思います。
なお、ご承知とは思いますが、神奈川県植物誌2001の解説や図版が最も参考になります。
投稿者 内野秀重 : 2005年08月24日 21:48
内野さん、コメント有り難うございます。実は、この写真は、白樺高原牧場と言う場所で撮影いたしました。踏み固められたと言う点で、ぴったりかも知れません。
ところで、私の持つ平成12年3月版の公団のリストには「ヒメキンミズヒキ」は書かれていませんが?
投稿者 木原 章 : 2005年08月24日 22:05