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ススキ
学名:

植物単子葉植物綱イネ目イネ科

Nag00412 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31

解説

[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用]
屋根を葺くのに使ったり、月見の時に飾ったり、穂でミミズクをつくったり、秋の七草に入っていたり、いつも人の生活のそばにあり、親しまれてきた植物です。
 日とが生活することは、森を切り開いて田畑をつくり、家を建てて住むことで、自然破壊をしないで生活はできません。残った森からは薪や木の実などを奪います。そのため森の姿も日とが住む前とは違ったものになります。今、雑木林と呼んでいる林は、そういう林です。ススキはこうして森が壊されたところ、明るく日の当たるところで生きる植物だったので、人の生活のそばにやってきたのです。
 ススキの葉は丈夫で、緑に細かいギザギザがついていて、うっかり触ると手を切ることがあります。硬い葉の中には珪酸の粒が含まれていて、ススキが枯れても、土の中にこの珪酸の粒は残ります。
 泥の中の花粉を調べて、過去にどんな植物が生えていたかを知ることができます。このとき、ガラスのかけらのような粒がたくさん出てくることがあります。これがススキのような植物に含まれていた珪酸の粒、プラントオパールと呼ばれるもので、丁度農耕が始まった頃から大量に出てきます。イネもプラントオパールを含んでいますから、稲作の証拠と言えるかもしれませんが、それより人によって開かれた土地にたくさん生えた、ススキなどの植物の方が多かったかもしれません。どちらのものにせよ、それは人間が土地を切り開いて住み始めたことを示すものです。
 屋根をススキで葺く人はいなくなり、ススキの生える空き地を放置することもなくなると、いつかススキは身近な植物から珍しい植物に変わってしまうかもしれません。

フォトデータ一覧

ススキ

(内野秀重, 2014.9.19)

ススキ

(登坂久雄, 2001.9.29)

ススキ

(木原 章, 2010.12.23)


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