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セイヨウタンポポ
学名:
Taraxacum officinale

植物双子葉植物綱キキョウ目キク科

Nag00356 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31

解説

[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用]
タンポポの黄色い花は昔から春の野を彩ってきましたが、その黄色い花はいつのまにか昔から日本の野を彩っていたのとは違う種類の花に変わってしまいました。“セイヨウタンポポ”の名の通り、ヨーロッパ原産の丈夫な種類で、今では世界中の温帯に広がっています。
 冬の間も葉っぱを広げ、小春日和の日には花が咲くこともあります。春にはたくさん花を咲かせますが、夏になっても、秋になっても少しずつ花を咲かせています。次々に咲く花は、すこし経つと白い綿毛のかたまりになって、小さな種子を風にとばしていきます。
 日本のタンポポはらば、花は春にしか咲きません。種子をつくるには他のタンポポの花粉が必要です。ところがセイヨウタンポポは、他のタンポポの花粉が無くても、自分だけで種子をつくります。だから仲間と離れたところにたった一人で育っても、仲間と違う季節に一人だけで花を咲かせても、種子をつくることができるのです。こんなことも世界に広がることができた理由の一つでしょう。
 タンポポの種子が芽生えるには、光が必要です。それも、緑の葉っぱを通ってきた光ではだめなのです。だから、樹木も背の高い草もない、明るい土地でないと芽生えてきません。これはタンポポが育つには、十分な光が必要なことと関係があります。育つことのできる環境でないと、芽生えないようになっているのです。“明るい土地”というのは、なにかの原因で樹木が倒れたり、土地が崩れたり、川が氾濫したりするとできるところで、やがて樹木が茂ってきますから、長く住んではいられません。ところが、庭や田や畑、道路の脇などは、草むらになったりしないように、人が手いれをしますから、時々傷められることはあるけれど、タンポポにとっても長い間生活できる貴重な隙間を日本のタンポポよりももっとうまく利用して広がっているのです。

フォトデータ一覧

セイヨウタンポポ

(内野秀重, 2006.4.9)

セイヨウタンポポ

(木原 章, 2004.4.17)



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