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Nag00354 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31
[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用] 北アメリカからやってきた帰化植物で、明治以降に日本に入ってきた他、ヨーロッパにはもっと古くから入ってきます。同じ北アメリカ原産のハルジオンは、同じようなところに生えている上に姿形がそっくりなので、混同されることもありますが、良く見るとずいぶん違ったところがあります。 花は良く似ていますが、つぼみの時にハルジオンはうなだれていますが、ヒメジョオンはうなだれません。葉っぱにははっきりした柄があって、どこから柄だかわからないハルジオンとは形が少し違います。生活のスケジュールは、ハルジオンは越年生で春から夏まで花を咲かせて枯れてしまい、冬の間広げていたロゼット葉が最後まで残るのに対して、ヒメジョオンでは初夏から夏にかけてはロゼット葉を枯らせることや、それとともに花ノ咲き始めが初夏と遅く、秋まで長く咲き続けるなど、かなり違っています。同じように生えているように見える毛も、ヒメジョオンの方が硬い感じです。 ロゼットは冬から春にかけて、地表付近の風当たりの弱い所で太陽の光をたくさんつかまえようとする姿です。暖かくなってみんが背伸びを始めると、ロゼットは日陰になってしまいますから、もっと高いところに葉っぱを作りなおすと同時に、日の当たらなくなったロゼットは捨ててしまうのが、無駄を省いて生きる知恵でしょう。他の植物たちの背が高くなるに連れて、自分も茎を伸ばし、新しい葉をさらに上に作りなおして、日陰になった葉を次々に捨てていくので、夏草の茂った層ができ、下の方は茎だけしかなくて、大きくなれなかった草がまばらに、ひょろひょろと生えている状態になっています。 図鑑に時々“花の時にロゼット葉が残る”かどうか書いてありますが、それが他の草が茂るまえに種子を作って枯れてしまうか、後までがんばって他の草と競争していくか、その植物がどちらを選んでいるのかを示しているのです。
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