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ヨモギ
学名:

植物双子葉植物綱キキョウ目キク科

Nag00307 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31

解説

[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用]
よもぎ餅や草餅は、ヨモギの若葉をゆでて、餅に入れたもので、春、まだ他の草が茂る前に、綿毛に包まれた柔らかな若葉をのぞかせるヨモギを摘んだ記憶を持っているのは、もうかなりの年輩の方だけになったのでしょうか?
 草餅の香りはヨモギ独特の香りで、私たちには快い香りではありますが、なんのためにこのような香りがありのでしょうか?摘まなければ、または踏まなければ、遠くから香りでヨモギとわかるというものでもないとすれば、“傷つく”ことによって香りが出てくるのでしょう。それなら、花の香りのように、昆虫を引きつけて花粉を運んでもらうのとは違った、別の役目があるのに違いありません。
 ヨモギの若葉を摘んだ時は小さな蓬でしたが、夏に向かってぐんと背丈が高くなり、春の面影はなくなってしまいます。こうして夏の間は生長することに専念していますが、ある時変化が訪れます。
 それまでヨモギの茎の先は、次々に新しい葉をつくりながら上へと伸びていたのですが、それが秋になると突然花を作り始めます。もう茎を上へ伸ばすことも、新しい葉をつくることもしません。たくさんの小さな花をつくるだけつくると、それっきり生長をやめてしまいます。博物館の庭ではく盛りをしますから、ヨモギが自由に伸びることはありませんが、それでも時期が来たら、同じように生長をやめてしまいます。
 ヨモギは多年生ですから、生長をやめたあとで、余った栄養は、実をつくることや、来年の春に生長するための蓄えにすることができます。新しい葉をつくれば、それだけたくさんの栄養をつくることができますが、冬が近くなってくると、新しい葉が働ける時間は少なくなってしまいます。いつまで新しい葉をつくり、いつから栄養を蓄えにまわすか、その土地の気候によってヨモギも悩むところでしょう。
 花は風媒花で目立ちません。果実はこれでやっていけるのか、と心配になるほど小さく、風で飛んでいきます。

フォトデータ一覧

ヨモギ
虫えい
(美地麗湖, 2006.6.3)

ヨモギ
虫えい
(美地麗湖, 2006.8.20)

ヨモギ

(登坂久雄, 2006.9.10)

ヨモギ
虫えい
(木原 章 , 2005.10.2) 2

ヨモギ

(木原 章, 2005.10.23)

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