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オオブタクサ
学名:
Ambrosia trifida

その他双子葉植物綱キク科

Nag00304 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31

解説

●原産地と分布
北アメリカ原産、ヨーロッパ、アジアに分布する。

●定着実績
1952年に静岡県清水港と千葉県で確認されて以来、全国でみられる。飼料穀物や豆類に混入して侵入したとされる。

●評価の理由
河川敷等でみられる大型の一年生草本で、河原の固有種を含む在来種との競合や駆逐のおそれがあることから、各地で駆除が実施されている。
意図的導入が行われていないので、規制による効果は小さい。既に広範囲に蔓延しているため指定の緊急性は低い。

●被害の実態・被害のおそれ
   生態系に係る被害
埼玉県の荒川河川敷にある特別天然記念物の田島ヶ原サクラソウ自生地では、オオブタクサの個体密度の増加に伴い、単位面積当たりの出現種数が減少することが報告されている(文献3)。
埼玉県上尾市にある荒川水系の三ツ又沼ビオトープでは、オオブタクサが絶滅危惧種の生育地にまで侵入しているため、影響を抑制するために市民参加による駆除が実施されている(文献2、3)。
天竜奥三河国定公園にある天竜川ではオオブタクサが上流全域でみられ、他の外来植物とともに、河川敷固有の植物が減少する原因の一つとなっている(文献6)。
全国の河川敷等で繁茂して、在来種の駆逐などの影響を及ぼしている(文献2、3、17)。

●被害をもたらす要因
(1)生物学的要因
環境への適応性
・ 温帯に分布する。
・ 畑地、樹園地、牧草地、河川敷、路傍、荒地、堤防などに生育する。
・ 肥沃で湿った所を好み、河川敷などでは密集して生え、しばしばアレチウリと共存する。
種子生産と分散能力
・ 開花期は7〜10月。雌雄同株。風媒花。
・ 1株当たり275個の種子をつけるとの報告がある。
・ 土壌中の種子の寿命が21年に及ぶとの報告があり、土壌シードバンクを形成する。
・ 痩果は雨、鳥、人間により伝播される。
(2)社会的要因
工事現場や採石場周辺などの人為的攪乱地で多くみられることから、種子を含む土壌が工事車両によって移動され、分布を拡大していることが示された(文献4)。

●特徴ならびに近縁種、類似種について
キク科の一年生草本で、高さ1〜4mになる。時には6mにもなるという。
染色体数2n=24。
原産地の北アメリカでは変種や品種が知られており、生長後も葉が分裂しないマルバクワモキ(マルバオオブタクサ)や、テキサスオオブタクサなどがある。オオブタクサの弱小な個体は葉が分裂すないので混同されることがある。
ブタクサ属は世界に25種ある。日本には自生種はない。ブタクサ、ブタクサモドキが野生化している。
ブタクサとの雑種オニブタクサ(A. ×helenae)があるとされる。
(環境省 外来生物法 要注意外来生物リスト解説より引用)

フォトデータ一覧

オオブタクサ

(木原 章, 2006.1.4)

オオブタクサ

(美地麗湖, 2005.7.13) 1

オオブタクサ

(木原 章, 2005.8.20)

オオブタクサ

(内野秀重, 2006.8.28) 3

オオブタクサ

(内野秀重, 2014.9.19)

オオブタクサ

(登坂久雄, 2002.10.25)




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