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オオイヌノフグリ
学名:
バンコック

植物双子葉植物綱シソ目ゴマノハグサ科

Nag00285 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31

解説

[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用]
冬のうちから緑の葉を敷き詰めていた植物が、春もまだ浅い季節に、ちょっと暖かい日には真っ青な花を咲かせています。もとはユーラシア大陸とアフリカの植物でしたが、1887年頃から日本の植物の一員となって、今では日本中どこにでも見られるようになりました。他の草がまだ伸びていない、日の当たる地表面は、夜や明け方の冷え込みさえ我慢できれば、居心地のいいところなのかもしれません。それとももうそんなに寒くはならないのでしょうか?
 大きな青い花は一日限りの命です。朝開いた花は、夕方には青い花びらがポロリと落ちて、何日かすると実に変わっていきます。よく見ると、開いた時と午後とでは、雄しべの位置が変わってきているのがわかります。はじめは外側に向いていた雄しべが、だんだん内側を向いてきて、雌しべにくっつこうとしているのです。
 雌しべは他の花の花粉が欲しいのに違いないのですが、たった一日の間にもし他の花の花粉がもらえなかった時、自分の雄しべの花粉でも、ないよりましだというのでしょうか。ましてまだ早春、花粉を運ぶ虫たちも少なく、動きも鈍いとしたら…そして短い春の間に、できるだけたくさんの種子をつくりたいとしたら。
 植物は一つの花の中に雄しべと雌しべを両方持っているものが多いので、動物ぬおように相手を探す手間がいらなくていいようですが、自分の花粉で受粉するような“自家受粉”は、本来望まないものです。だから自家受粉を避けるしくみが、たいていは備わっています。ところが、まわりに自分の仲間がいなくて花粉をもらえるあてがないとか、まだ虫が少なくて花粉を運んでもらえないかもしれないというときに、いい方法ではないかもしれないけれども、代用になる方法をとることで、“数”を増やす、または“生き残るチャンス”を増やしているのかもしれません。
 オオイヌノフグリの一つ一つの花の命は一日限りですが、茎を伸ばしながら次々に新しい花を開いて、かなり長い間、花を楽しむことができます。

フォトデータ一覧

オオイヌノフグリ

(木原 章, 2009.1.12)

オオイヌノフグリ

(木原 章, 2006.1.28)

オオイヌノフグリ

(木原 章, 2008.2.16) 1

オオイヌノフグリ

(木原 章, 2004.2.22)

オオイヌノフグリ

(内野秀重, 2015.2.23)

オオイヌノフグリ

(木原 章, 2013.3.2)

オオイヌノフグリ

(木原 章, 2006.3.5)

オオイヌノフグリ

(木原 章, 2011.3.20)

オオイヌノフグリ

(木原 章, 2004.12.26)

オオイヌノフグリ

(内野秀重, 2006.12.28)

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