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タチイヌノフグリ
学名:

植物双子葉植物綱シソ目ゴマノハグサ科

Nag00284 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31

解説

[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用]
同じ仲間のオオイヌノフグリよりは少し早く、外国から入ってきた帰化植物で、原産地はヨーロッパです。同じ仲間とはいっても、オオイヌノフグリよりずっと花が小さくて目立ちません。けれども良く見ると、小さいとはいえ花の形は良く似ています。ちょうどオオイヌノフグリの花をそのまま縮めたようです。
 似ているところを数え上げると、花びらは元でくっついて一続きになっていて、それが元に近いところで4つに切れ込んでいること、それが浅い皿形に開くこと、おしべは2本で柄が長く、花びらのお皿から飛び出していること、などがあり、これはまたイヌノフグリの仲間全ての共通の特徴です。高尾山の森の中に咲くクワガタソウもこの仲間で、色がピンク色で植物全体の大きさが小さいのですが、同じ特徴を持った花を咲かせます。クワガタソウの名前は、長く飛び出した2本のおしべの形を、兜の鍬形に見立ててつけられたものです。
 そのほかにも、一つの花が咲いているのは一日限りで、次々に新しい花を開くこと、果実の形がちょっと尖ったハート型をしていること、葉の形など、見れば見るほど似ている植物なのです。
 もちろん違いもたくさんあります。葉の形はオオイヌノフグリよりは尖った感じだし、花は小さくて色も少し薄く、何よりも茎が立ち上がって株になるところが、茎が地面をはうように伸びていくオオイヌノフグリとの違いです。
 種類が違うのだから形に違いがあるのはあたりまえですが、似ているところがあるのはなぜでしょう。同じ仲間だから、といいましたが、同じ仲間であるということはどういうことなのでしょうか。
 “仲間”といっても、仲間の大きさにはいろいろあります。生き物の種類同士の関係を表す仲間というのは、共通の祖先から分かれていた仲間という意味です。共通祖先がどれくらいの過去にいたのか、によって仲間と呼べる大きさが変わってきます。オオイヌノフグリとタチイヌノフグリ、それにクワガタソウは同じ属という分類単位で表される仲間で、これは割合近い過去に共通祖先から分かれてきたと考えられます。 
 この仲間を広げていくと、最後には全ての生き物が一つの仲間になってしまいます。これは、すべての生き物が、細菌も植物も人間も、みんなただ一つの共通祖先から分かれ、進化してきたという意味です。

フォトデータ一覧

タチイヌノフグリ

(美地麗湖, 2005.4.19)

タチイヌノフグリ

(木原 章, 2005.4.24)

タチイヌノフグリ

(木原 章, 2011.5.14)


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