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カキドオシ
学名:
Glechoma hederacea

植物双子葉植物綱シソ目シソ科

Nag00266 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31

解説

[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用]
春から初夏にかけて赤みがかった紫色の花が目立ちます。筒型をして、横に向いて開く花びらの先は5つに分かれていますが、下側のふたつは先の方まであわさって、濃い色の模様がついています。
 花はもちろん昆虫を呼ぶために、そして花粉を運んでもらうために咲くのですが、横向きに咲いた筒方の花には、どんな虫でも来られるわけではありません。このはなの奥にある蜜を吸うためには、どんな虫でなければならないか、想像してみてください。違った形の花と比べてみるのも、おもしろいでしょう。
 花が終わると植物は目立たなくなります。けれども枯れてしまったわけではありません。カキドオシにとっては、これからが大事な季節です。茎は地面を這うように、どこまでも伸びていきます。カキドオシという名は、垣根を通り越して伸びる茎のようすを表しています。まわりでは背の高い草が茂ってきます。カキドオシはその草と争うことなく、下の方に茎を伸ばして葉を増やしていきます。運良く草むらの緑に出ることができれば幸運です。
 春に光を浴びている葉と、夏に草むらに埋もれた葉とでは、見た感じも違ってきます。厚みがあって小さく、赤紫色がかった春の葉に対して、夏の葉は大きくて薄手で色も淡くなってきます。夏の葉でも草むらの外に出てくると、春の葉に似てきます。この違いは、光を捉える性質の違いに対応しています。
 強い光を捉える葉は“陽葉”と言います。厚くてがっしりしているだけでなく、強い光で活発に光合成をする葉です。弱い光を捉える葉は“陰葉”と言います。葉の面積を広くして、弱い光をたくさん集めるだけでなく、光が弱くても一定以上の早さで光合成ができる葉です。そのかわり強い光が当たっても陽葉ほど活発ではありません。同じ葉が同時に陽葉の働きと陰葉の働きをすることはできません。植物は時と場所によって、二通りの葉を使い分けるのです。

フォトデータ一覧

カキドオシ

(木原 章, 2007.4.8)

カキドオシ

(木原 章 , 2005.4.10)

カキドオシ

(木原 章, 2008.4.12)

カキドオシ

(木原 章, 2012.4.15)

カキドオシ

(木原 章, 2011.4.17)

カキドオシ

(木原 章, 2009.4.18)




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