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ヤエムグラ
学名:

植物双子葉植物綱リンドウ目アカネ科

Nag00251 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31

解説

[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用]
 6〜8枚の葉が角張った茎を囲むようについた、特徴のある草で、ほおっておけばどんどん茎を伸ばしていきます。長く伸びた茎は、自分自身を支えるほどの強さがなく、まわりに何もなければ立っていることはできません。そうかといって、ほふくしようとはしません。
 弱い茎で立ち上がるには、何かの助けが必要です。茎や葉に生えた下向きの丈夫な刺が、他の植物に引っかかり、ヤエムグラを支えるのです。
 夏の草むらは丈が高くなります。その舌に入ると光が届かず、弱ってしまいます。光を得るには、高く育つ他ないのですが、背の高い体を支えるには、丈夫な茎をつくらなければなりません、それにはたいへんなエネルギーが必要です。 
 ヤエムグラはこのエネルギーを節約して、光を得ようとしたのです。茎を丈夫にする代わりに、そのエネルギーは余分な葉をつくって、より多くの光を捉えたり、花や果実を余分につくることに使うことができます。他の草の日陰にならないために、丈夫な茎をつくって、背伸びしようとする他の草によりかかることで、楽をして光の中に出ていこうとするのです。
 賢いのかずるいのか、どう考えるかはあなた次第です。けれども、もし他の植物もみんな同じ事を始めたら、ヤエムグラはそのやり方を生かすことはできないでしょう。弱いもの同士がよりかかり合っても、倒れてからみあい、結局かなりの葉が日陰になってしまいます。ほかに背の高くなる丈夫な植物がいて初めて、よりかかるやり方がうまくいくのです。
 それではよりかかられる方は、迷惑しないのでしょうか。もちろん迷惑なことは確かで、よりかかられていれば、自分だけの体を支えられるよりも余分に力が必要で、風が吹けば、自分だけなら支えられる風でも倒れることもあるでしょう。せっかく光が当たる所に広げた葉も、よりかかっているヤエムグラの日陰になる部分が出てきます。それでも、自分でがんばる方が、どんな所でも失敗が少ないでしょう。

フォトデータ一覧

ヤエムグラ

(美地麗湖, 2005.4.25)

ヤエムグラ

(木原 章, 2008.4.26)

ヤエムグラ

(木原 章, 2007.5.2)

ヤエムグラ

(美地麗湖, 2005.5.9)

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