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コナスビ
学名:

植物双子葉植物綱サクラソウ目サクラソウ科

Nag00238 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31

解説

[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用]
実の形がナスに似ているからこの名が付いたと、図鑑には書いてありますが、そんなに似ているとは思えません。この程度の“似た”植物ならコナスビでなくてもたくさんあるでしょうし、もっと似た実のなる植物もありそうです。色も緑色で、ナスのような特徴のある紫色にはなりません。丸い実は鞘になっていて、ナスのように食べられそうな柔らかい“果肉”があるわけでもありません。こんな名前を付けた人の考えを、ぜひ聞いてみたいものです。
 春から初夏にかけて長く咲き続ける花は黄色で、近づいて良く見ると、小さいながら整った形をしていて、花びらが元の所でくっついた“合弁花”となっています。地面に張り付く様に茎を伸ばし、向かい合って2枚ずつついた葉っぱの腋から、一つずつ花が出てきます。茎は花を咲かせながら伸び続けるので、初夏の頃には、ずいぶん横に広がっています。
 上に伸びないで横に伸びるのも生長の一つの形ですが、多くの植物は横に伸びないで上に伸びようとします。それは他の植物の下になると、光が十分に当たらなくなり、生きていくことが難しくなるからです。地面近くに葉を広げるような生き方は、春早く、まだ他の草が茂らないうちでないとできません。
 上に伸びるのは光を十分得るために必要だから、なのですが、それには風が吹いていても倒れないだけの丈夫な茎を作らなければならず、また地面から吸った水を高いところの葉に送るのは、かなり骨が折れる仕事です。おまけに気温が上がってくると、葉から蒸発して出ていく水の量が増え、より多くの水を吸い上げなければならなくなります。背が高くなればなるほど、この仕事は大変になります。丈夫な茎を作ることは、他の植物によりかかったり、巻きついたりすることで手を抜くこともできますが、水を持ち上げるのは手抜きができないのです。
 これを解決するには、弱い光で生きていくように葉を作り替えるか、他の草が茂ってくる前に必要なことを終えてしまうしかありません。それとも他の草が簡単には生えられないような厳しいところを生活場所に選ぶことになるでしょうか。コナスビはどうしているのでしょう?

フォトデータ一覧

コナスビ

(登坂久雄, 2005.5.22)

コナスビ

(登坂久雄, 2004.8.10)



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