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Nag00167 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31
[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用] クローバーに似た3枚の葉に、黄色い花の咲く植物で、ヤマトシジミという蝶の幼虫の食物になるので、小さな蝶はカタバミの周囲を飛んでいたら、蜜を吸いに来ているのか、それとも卵を産もうとしているのか、注意して見てください。緑色のものと、赤っぽい色のものがありますが、同じ種類です。ヤマトシジミも区別していません。 植物は動かないものと思っている人が多いかもしれませんが、カタバミはよく動きます。もっとも、つぼみを横向きにつけて、上を向いて花を咲かせます。花の柄は曲がった状態からまっすぐ上に向くようになります。花が終わると、花の柄が付け根から曲がって水平より下に下がり、果実は上に向いて実ります。 果実ははじけて種子を飛ばします。成熟して、種子を飛ばす準備の整った果実に触れると、パチパチと小さな種子が飛び出してきます。植物にとって、自由に移動できるのは種子の時だけですから、いろいろな工夫をこらしています。たいていは“動くもの”を利用する方法をとっていますが自分から動かそうとするものも多くあります。でも、この方法では風に乗ったり、動物にくっついたり、動物に食べさせたりするのに比べて、遠くに散らばっていく機会は少ないかもしれません。 でも、カタバミの種子ははじけるだけでなく、なんだかペタペタくっついてくるような感じがしませんか? 種子を虫眼鏡などで拡大してみると、表面にしわが見えます。くっついてくるような感じがするのは、このしわに秘密がありそうです。 はじけるという性質は目立つので、これが種子の移動のやり方だと決めてしまう前に、他の方法も同時にやっていないか、よく観察してみましょう。意外と二つの方法を組み合わせている植物は多いのです。
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