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Nag00121 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31
[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用] “子持ち”ちうのは葉の脇にむかごができるからで、花は種子を作らないようです。マンネングサの仲間は小さく厚ぼったい葉が特徴で、いかにも乾燥に強い印象ですが、時ああい乾燥しやすいところでも、元気に生きています。むしってもなかなかしおれないで、いつのまにか根を出し、定着してしまいます。 厚ぼったい葉は中に水をいっぱい含んでいるので、しおれないうちに根を出すことができるのですが、それだけでなく、いといとな秘密があります。 植物は気孔という開けたり閉めたりすることのできる穴から空気を取り入れますが、気孔を開けると水分も出ていってしまいます。このとき、根から吸い上げる水が不足すると、植物はしおれて、ひどくなると枯れてしまいますから、乾燥するところの植物はいろいろな工夫をしなければなりません。 葉っぱは薄くて平たい方が太陽の光を捉えるのにいちばんいいはずですが、乾燥地の植物では体に水分を蓄えるために葉が丸くなったり、毛を生やして湿った空気を気孔のまわりから逃がさない工夫をして、水分が体からできるだけ失われないようにしています。コモチマンネングサの葉っぱには毛は生えていませんが、葉っぱの凹みの底に気孔があって、気孔の前に小さな部屋ができています。これも湿った空気を逃がさない工夫です。 熱くて乾いた砂漠のようなところでは、それでも間に合わないこともあるでしょう。昼間は光をたくさん捉えたいのに、もう一つの必要なもの、二酸化炭素を空気から取り込もうとして機構を開けると、いくら防いでも体から水分が出ていきます。といって気孔を閉じれば光は無駄になってしまいます。 そこでこの仲間はすごいことを考えました。二酸化炭素は涼しくて乾きにくい夜のうちに気候を開けて取り込んで、リンゴ酸にして葉っぱの中に溜めておきます。昼間は気候を開けずに、夜のうちに溜めたリンゴ酸から二酸化炭素を取り出し、光を使って糖をつくるのです。そのため葉っぱを明け方頃かじると、酸っぱくなっているのがわかります。ただし湿った所だと普通の光合成をして、乾いてしまうと昼と夜を使い分けることがあるようです。
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