生き物検索
編集
図鑑索引
Nag00103 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31
[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用] 梅雨の頃は不思議に白い花が目立ちます。ドクダミもその一つですが、昔から“十薬”と呼ばれて利用され、親しまれてきた植物です。花の時期に採って、乾燥して保存しておいて、お茶代わりに煎じて飲めば、体調がよくなるようです。 “花”に見えるのはたくさんの花のかたまりで、中心の軸についた黄色いものが小さな花です。花弁は退化していますが、それぞれが立派におしべとめしべを備えた一人前の花で、下から順に咲いていきます。白く目立つのは花のかたまりを包んでいた“総苞”で、一つ一つの花に付いている花弁やがくとは違うものです。 けれども昆虫の目を引きつける単位という意味では、4枚の総苞と中心の花の集まりを一つの花と考えるのは自然です。機能の上では確かに一つの単位なのですから。一つ一つの花ではなく、ひとかたまりの花に4枚の白い飾りをつけるよりは、余分なエネルギーを使わずに済むので、合理的かもしれません。 独特の臭いは傷つけると臭うもので、知らずに踏んで、臭いで気付くこともあります。ドクダミに限らず、植物の臭いは、花の臭いは別として、“傷”ついたときに臭うものです。どんな時に傷つくのか、考えてみれば、なぜ臭うのか、何のために臭うのか、予想できるでしょう。 群生することが多いのは、地下茎を伸ばして次々に地上に茎を伸ばし、葉をつけ、花を咲かせるからです。薄暗いところでもよく育つドクダミは、こうして地表を広く被って、弱い光をたくさん集めます。地下茎はまた、栄養を溜めておく所でもあり、少しでも条件のいい場所を探し当てることもできると考えられます。
[アクセスカウント:]生き物図鑑勉強会