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Nag00077 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31
[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用] 全体にふかふかと毛が生えていて、葉っぱの感触は動物の耳のようです。ヨーロッパ原産で、日本には明治以降に帰化しました。 ミミナグサCerastium holosteoides Fries var. hallaisanense (Nakai) Mizushimaという、良く似た植物が、日本には古くからありました。両方とも小柄な植物で明るいところの好きな雑草の仲間で、形も注意しないとわからないくらい良く似ています。生活の仕方も、道ばたなどで冬を越して春に花を咲かせ、実を結んで枯れるという、同じようなスケジュールで、オランダミミナグサの方が少し早く花がさくくらいの差しかありません。 こういうとき、2種類の植物の間では、仲良く共存することは少ないもので、どちらかが優勢になってしまって、もう一方は少なくなってしまいがちです。セイヨウタンポポとカントウタンポポ、ギシギシとエゾノギシギシなど、ヨーロッパや北アメリカからやってきた種類が、昔から日本に住んでいた種類よりも、ずっと目立つようになった例はたくさんあります。 オランダミミナグサはミミナグサを追い出してしまったのでしょうか。それとも仲良く共存しているのでしょうか。博物館の庭でも、道ばたでも、畑でも。それらしい植物を見かけたら、オランダミミナグサなのかミミナグサなのか、混じって生えているのか、少しずつ違った環境を選んでいるのか、確かめてみてください。区別するポイントは、花(実)の柄が長いか(ミミナグサ)、短いか(オランダミミナグサ)です。
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