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Nag00075 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31
[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用] ギシギシは日本全国に古くから生きている雑草です。冬から早春にかけて大きなロゼットで過ごして、春になると花茎を高く伸ばして花を咲かせ、実を結び、地上部分は枯れてしまいます。博物館の庭では“芝生”にしているため、高く伸びると刈られてしまいますが、道ばたや空き地では大きくなった姿を見ることができます。 最近ではギシギシの仲間で、良く似たエゾノギシギシのほうが良く見られます。これはヨーロッパ原産の帰化植物で、花の形も質も良く似ています。高尾周辺ではいつのまにかギシギシと入れ替わってしまいました。いったいギシギシはどこに行ってしまったのでしょうか? ギシギシの仲間にはエゾノギシギシの他にも帰化植物が何種類かあり、姿形はみんな良く似ています。一番種類の特徴がわかるのは果実の形で、たねのまわりに“翼”のように張り出したひれのようなものに、小さなギザギザがあればギシギシ、元の方に大きなギザギザがあればエゾノギシギシです。それ以外のギシギシの仲間がないかどうかも注意してみましょう。 エゾノギシギシの果実についた“翼”のようなものは、ほんとうに翼の役割をします。この翼は6枚のがくのうち、内側の3枚が大きくなったもので、外側の3枚は花の時と変わらない形で残っています。たねを移動させるために必要な器官を“散布器官”といいますが、エゾノギシギシの場合はがくがその役割を果たすのです。同じ“翼”でも、植物によって形はもちろん素材が何かも違います。花からたねへ変わるとき、どこがどのように変わっていくのか、観察してみるのもおもしろいでしょう。
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