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スイバ
学名:

植物双子葉植物綱タデ目タデ科

Nag00071 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31

解説

[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用]
スカンポの別名はイタドリにもあります。葉や茎がかじると酸っぱいからですが、酸っぱいのは、しゅう酸を含んでいるからで、食べられる野草ではありますが、たくさん食べるのはやめた方がいいでしょう。ギシギシとは近い仲間ですが、葉っぱが小さめで矢じり形している点で花や実がなくても区別がつきます。でも、一番大きな違いは雄雌別株であることです。
 哺乳類や鳥、昆虫など、よく目にする動物は全て雄雌異体で、しかも受精したときに雄か雌か決まります。ところがよく目にする植物は、雄雌同体の方が多く、雄雌が分かれているものがあっても、受精したときにどちらになるか決まることがわかっているものはごく僅かです。どうしてそうなったのか、少し考えてみましょう。
 雄雌同体であれば、相手を捜す手間が省けます。ところが、雄雌同株の植物でも、自己受粉は避けられるのが普通ですから、相手探しは省くことができません。雄雌同体の動物、例えばカタツムリでは、必ず相手と出会って、お互いに精子を交換します。この時、相手が雄か雌かは気にする必要がないのですが、雄雌同体の強みと言えます。
 植物は動けないので、相手探しも動物のように自在にはできません。雄雌同体であるのは、花粉が到達した相手が、たまたま雄で無駄に終わったなどということを防ぐ意味では、理にかなったことでしょう。雄雌同体のカタツムリが移動能力に乏しく、鳥や哺乳類、昆虫という、非常に移動能力の高い動物で雄雌異体となっているのも、意味あることに違いありません。
 もし相手を捜すことがかなり確実にできるなら、雄雌は別の体を持っている方が、確実に自己受精という究極の近親交配を避けられますから、都合がいいはずです。植物はみんな移動能力がありますから、相手が確実に見つかるには、近くに仲間がいて、花粉の交換もうまくいく状態ができている必要があるでしょう。それには、環境の変化が比較的小さくて、その植物が安定して生きていけることや、ある程度長生きすることも必要かもしれません。 
 スイバの生えている環境、仲間のスイバがどこに生えているか、雄雌の割合は、花粉はどうやって運ばれるのか、年齢は?寿命は?図鑑に書いてあること以外にも、観察するべきことがたくさんあります。

フォトデータ一覧

スイバ
雄花
(登坂久雄 , 2005.5.8) 2

スイバ
雄花全体
(登坂久雄 , 2005.5.8)

スイバ
雌花序
(内野秀重, 2006.5.19)


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