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カナムグラ
学名:

植物双子葉植物綱イラクサ目クワ科

Nag00051 (更新日:2017.5.19) 第一報告者:都市基盤整備公団, 2000.3.31

解説

[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用]
カナムグラなんて、どこにあった?確かに棘のあるつるを伸ばし、ざらざらした手のひら形の特徴のある葉を茂らせた姿を、博物館の前庭で見ることはないかもしれません。前庭はいつも手入れされて、カナムグラが大きくなるチャンスはないでしょうから。
 けれども春、注意してみると細長い双葉がたくさん出てきています。その間からは赤黒い色をした本葉がのぞいています。これがカナムグラの芽生えです。毎年どこからやってくるのか、博物館の前庭ではたくさんの芽生えが現れるのです。
 博物館の前庭では春に芽生えが見られるだけですが、多摩川の河川敷や道ばた、空き地などで、夏に茂っている姿を見る機会はたくさんあるはずです。これらがみな、春には小さな芽生えだったもので、数ヶ月の間にずいぶん大きくなるものです。
 秋になると花が咲きます。風媒花なので目立つ色はなく、雄花では大きな穂になって花が咲き、黄色い花粉が出るので少しは目立つかもしれませんが、雌花の穂は小さく葉の下に隠れるように咲くので、探すつもりになって見ないとわからないでしょう。雌雄は株によって決まっています。
 風媒花なので昆虫は全然来ないかというと、実はそうではありません。もちろんカナムグラの花には蜜は出ないし、無祖を引きつける努力は全くしていないのですが、花粉があるので、子育てに蛋白質の必要なハチにとっては、大事な花粉源になることがあります。ミツバチはカナムグラのサラサラした花粉を集めて花粉団子にして巣に持って帰ります。
 昆虫に花粉を運んでもらって受粉する虫媒花には、目立つ色や変わった形をして、昆虫を引きつけ、花粉は昆虫の体にくっつきやすくできていまが、風媒花の花粉はサラサラしていて、くっつきにくいものです。けれどもミツバチなどのハナバチは、花粉を集めるために体にふかふかした毛が生えていて、」花粉がたくさんくっつくような体を持っています。この毛は虫媒花の花粉だけでなく、風媒花の花粉を集めるのにも役に立ち、ミツバチは実際に目立たない風媒花の花粉も探し出して集めているのです。

フォトデータ一覧

カナムグラ
雄花
(木原 章 , 2007.9.9)

カナムグラ
種子
(登坂久雄 , 2006.12.3) 1



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