[以下、東京都高尾自然科学博物館パンフレットより許可を得て引用] 気の毒な名前を付けられてしまったものですが、ごみためのような所は光もよく当たるし、栄養も豊富なことが多いので、たねがたどり着きさえすれば、けっこう居心地はいいかもしれません。もっとも、ごみためだけではなく、畑や道ばたにもみられる一年草で、熱帯アメリカ原産の帰化植物です。入ってきたのは新しい方で、大正時代に初めて日本で記録され、当時は希な植物でしたが、今ではどこにでもある、ありふれた植物になりました。 小さくてみすぼらしい花ですが、ルーペなどで拡大してよくよく見ると、なかなかう凝ったつくりの可愛らしい花です。 白い5枚の花弁に見えるのは、それぞれが独立した花で、花びらが平たくなった舌状花です。中心の黄色いのは、小さな筒状花の集まりで、周りの花から順に咲いていきます。どちらの形の花も、おしべとめしべを備えていて、どちらも同じように実ります。二つの形の花をまとめて総苞が取りまき、あたかも全体が5枚の花びらのある一つの花のように見えるのです。これはキク科の植物に共通のつくりで、種類によって舌状花と筒状花の数が違ったり、どちらか一方の花だけになったりすることはあっても、一つ一つの花がバラバラにつくようなことはありません。 一つ一つの花にはがくがありますが、果実を風で飛ばすのに使われます。ハキダメギクでも冠毛の形になっていますが、その形は単純な1本の毛ではなく、太めの毛にさらに細かい毛が生えて、羽毛のようになっています。ハキダメギクによく似たコゴメギクという植物も帰化しているのですが、こちらは冠毛が退化しているので、果実が実っていれば区別ができます。けれども、コゴメギクの方は、まだ希な植物のようです。
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生き物図鑑を作る会