2006年04月20日

ナポリ産雑草だより

(木原 章 : 2006年04月20日 18:46)コメント (0)

長池公園からは遠く離れたナポリの公園で撮影した「雑草」です。

はじめに

ナポリはイタリアでも有数の低所得地帯で、ブラックマーケット・脱税が横行して、先日の総選挙の課題である税収の確保の拠点にも挙げられていた地域です。おかげで、貧困層は持てるものから物を盗む事に、殆ど何の罪の意識も持っていません。特に、日本人の持つ「マッキナ(機械)」(自動車やカメラを指しているらしい。)は、とても魅力的に見えるそうで、公園などの安全地帯以外でのカメラの携帯は注意する必要が有ります。なんて、言っても小生のように既に2回のひったくりを経験した人間でないと、なかなかその実感は湧きません。と言う事で、撮影はほとんどが公園や駐車場などの安全地帯に限定されています。

4月上旬の雑草その1 

R0010196.jpgこれは、デコさんに教わったのですが、「ツタバウンラン」だそうです。日本にも有るそうで、こっちがオリジナル?(2006年4月9日自宅駐車場)

4月上旬の雑草その2 

R0010230.jpgこれは、ご存知オオイヌノフグリ。何か日本のと違うのかな?(2006年4月11日実験所)

4月上旬の雑草その3 

R0010256.jpgR0010292.jpg
これは、マーガレット(マルゲリータ)と呼ばれているようです。タンポポよりやや小さい、可憐なキク科の花。つぼみは赤くて、咲いた直後も花弁の裏側に赤みが残っています。(2006年4月11日実験所の庭)

4月上旬の雑草その4 

R0010275.jpgこれは、キツネノボタンに似た黄色い花。毛がない。乾いた芝生に咲いています。(2006年4月11日実験所の庭)

4月上旬の雑草その5

PICT2029.jpgこれは、時期としてはワルナスビに、花の形としてはアメリカイヌホウヅキに似ていますが、なんだか解りません。(2006年4月15日 フロリディアーナ公園)

4月上旬の雑草その6

PICT2032.jpgハギに似たマメ科の花です。(2006年4月15日 フロリディアーナ公園)

4月上旬の雑草その7

PICT2028.jpgPICT2058.jpg
花の大きさは1mm程度。もちろん、名前は解りません。(2006年4月15日 フロリディアーナ公園)

4月上旬の雑草その8

PICT2042.jpgシソ科っぽいですが、何でしょう?つぼみがミズタマソウを彷彿させてくれます。(2006年4月15日 フロリディアーナ公園)

4月上旬の雑草その9

PICT2049.jpgPICT2053.jpg
最近登坂さんが投稿した「シロヤブケマン」に似ています。上から見た姿が気に入りました。(2006年4月15日 フロリディアーナ公園)

とりあえず、今回は9種投稿してみました。今週末は、近郊の森林公園に出かける予定なので、また別の種が撮影できるかと思います。ちなみに、川や池などの水場が見つからず、水生昆虫は見ていません。
木原


2006年01月25日

2006年1月の勉強会

(木原 章 : 2006年01月25日 11:14)コメント (0)

今月のテーマは「長池公園で観察されるヨコバイ・カメムシ」です。
2006年1月28日(土)15:00〜16:30 長池公園自然館会議室を借りて行います。
どちらも、昆虫としてはメジャーでは有りませんが、良く目をこらして見ると、1年中公園で観察することができる昆虫たちです。
分類学的にはカメムシ目に所属する、カメムシ科ツノカメムシ科ナガカメムシ科ホソヘリカメムシ科マルカメムシ科ヘリカメムシ科ノコギリカメムシ科などのいわゆるカメムシの仲間と、ヨコバイ科をご紹介する予定です。



アカスジキンカメムシ
エサキモンキツノカメムシ
フタスジトガリヨコバイ
クロスジホソサジヨコバイ

生き物図鑑勉強会では、八王子市長池公園を活動の場として毎月「勉強会」を行っています。基本的に会員制ですが、年度途中からの参加の方や、スポット参加の方も、会場に余裕が有る限り、会場利用経費分担金(100円)を支払うことで参加することができます。


2005年12月16日

つる性植物のまとめ(2005年12月勉強会テーマ)

(木原 章 : 2005年12月16日 10:45)コメント (1)

初夏から秋にかけて、新緑を携えた木々の枝や、成長した草の茎をかりて、上へ上へと成長していくのがつる性植物です。7月以降、長池公園では余り多くの花を見かけなくなりますが、良く見るとつる性植物が可憐な花を咲かせています。そんな彼らのたくましい生き方を観察してみてはいかがでしょうか?ここでは、長池公園で比較的簡単に観察できるつる性の草本20種類を取り上げてご紹介いたします。(配布資料のファイルはこちら2.4Mbあります。)

ユリ科

サルトリイバラシオデ

ヒルガオ科

ヒルガオコヒルガオ

ヤマノイモ科

オニドコロヤマノイモ

ブドウ科

ヤブガラシエビヅル(木本)

アカネ科

ヘクソカズラアカネ

ツヅラフジ科

カミエビ

マメ科

トキリマメクズツルマメノササゲヤブマメヤブツルアズキ


ウリ科
アマチャヅルアレチウリカラスウリスズメウリ

ガガイモ科

ガガイモコバノカモメヅル

以上20種のお話をいたします。


2005年08月24日

夏はツル性植物

(木原 章 : 2005年08月24日 15:34)コメント (0)

「植物の名前を覚えるには、どうすれば良いか?」と、人から聴かれても、自分でも苦労しているのでなかなかこれと言った方法は無いようです。結局、英語と同じで、日々植物に接することこそ重要でしょう。そのためには、自分のフィールドを持つと言うのが先ず大切です。長池公園は、そんな私にとっての大切なフィールドになりつつあります。

では、公園に行って覚えるか、それとも図鑑で覚えてから公園で確認するか?どっちも、大切なようですが、タダ、行き当たりばったりの出会いに頼らずに、自分なりのテーマを設定すると良いようです。

春や秋に比べて、真夏の公園はなかなか見栄えの良い花とは出会えません。しかし、よくよく見ていると、春先から背を伸ばしてきた植物に、後から出てきたツル性の植物がからみついて、太陽の光をもぎ取らんとばかりに繁茂していることに気づかされます。

ヒルガオは、その花がツル性としては大きく派手なのですぐに見つかります。同じヒルガオ科のコヒルガオとの区別が、ちょっと難しい!最近は、コヒルガオの方が多いようです。

ヒルガオとは逆に、小さくて可憐な花をつけるのが、ツヅラフジ科のカミエビです。7〜8月にかけて、林の縁などを見ていると、垂れ下がって生えていることがあります。

ヤブガラシは、ヒザから下ぐらいの比較的低い位置で花を咲かせます。にょきにょきと、ツルで茂みから頭をのぞかせています。

ヘクソカズラは、7〜8月の間繁茂し、思わぬ木陰から頭を出して垂れ下がってきます。夏中目につく花の一つです。

ヤマノイモ科のオニドコロも、腰くらいの高さを中心として、日当たりの良い所に生えた、ありとあらゆる植物に巻き付き、繁茂します。その花の形は、小さく可憐で、よく見ないと花とは気づきません。

同じヤマノイモ科のヤマノイモも、オニドコロとよく似た花を咲かせています。とは言っても、実は私未だ意識して撮影していません。今後のテーマの一つです。

マメ科のツル性の代表選手はクズでしょう。6月後半から急激に勢力を伸ばし、ネムノキなどの中木は、そのてっぺんをクズに覆われてしまうくらいです。8月には、多くの花を咲かせ、独特の香りを放ちます。

マメ科のトキリマメは、8月中旬に黄色いマメ科特有の形をした花を咲かせます。トキリマメは、夏の内に場所を覚えておくと、冬場に綺麗な赤いさやに収まった黒い豆を発見することができるはずです。9月にかけては、ヤブマメツルマメヤブツルアズキなどのマメ科のツル性植物が花を着けるようです。このあたりは、今後の宿題です。

ウリ科のアマチャヅルも、8月に小さな星状の花を着けます。カラスウリスズメウリも、長池公園では見つけられるようです。

ガガイモ科のガガイモも、派手に成長し、でもあまり派手では無い花を着けています。コバノカモメヅルも、同じガガイモかで、夏に花を咲かせます。

他にも夏から秋にかけて繁茂するツル性の植物が多く花を着けています。どれだけ覚えられるか、チャンス到来と言った感じです。



2005年08月23日

長池公園にヒメキンミズヒキは有るのか?

(木原 章 : 2005年08月23日 17:28)コメント (2)

2004年10月に撮影したキンミズヒキと思われる花の写真を「ヒメキンンミズヒキ」として投稿した。その時は、その場にいた専門家の同定に従ってそうしたのだが、一年経って公園を歩いていても一向にヒメキンミズヒキを見かけない。

そこで、夏休みの旅行先で、キンミズヒキと、明らかにヒメキンミズヒキと判る花の撮影をしてきたので、その違いをもう一度考えてみる事にした。

キンミズヒキとヒメキンミズヒキの違いは、ネットで調べると、下記のようだ。

キンミズヒキヒメキンミズヒキ
形態的特徴小葉が5〜11枚で、先端が尖っている花も,植物全体も小さい。小葉は3〜5枚で先端は鈍い。
全体写真
花の特徴花の径が8〜10mmで、雄しべの数が10〜13本、花弁の幅が広く、果実は径4mmほどである。花は小さく径5〜7mmで、雄しべの数は5〜6本、果実は径2mmほどである。花弁が細い。花序につく花の数が少ない
花の写真

さて、以上の違いに基づいて、問題の写真を見てみよう。

大きい、小さいは、写真からは判らない。葉のとがり具合は、実は上記の写真でも良く判らない。しかし、花びらの形態は、あきらかにキンミズヒキだ。

と言う事は、他に例が出てこない以上、現時点では長池公園ではヒメキンミズヒキの生息は未確認と言うことのようだ。

参考サイト:
ヒメキンミズヒキ
キンミズヒキ


2005年07月18日

ハゴロモの幼虫

(木原 章 : 2005年07月18日 17:17)コメント (1)

ベッコウハゴロモとアオバハゴロモ、どちらも5月に孵化して幼虫時代を過ごしている。
ベッコウハゴロモの幼虫は、尾部からだしたロウのトゲを傘のように広げていて、
一見、風で運ばれてきた種子が葉に乗っているように見える。

これを、笹の葉かなんかでうまくつつくと、上に向かって逃げ出す。
その時、傘の広がりが少し小さくなって、体全体が見えるように成る。
とは言っても、5mmに満たない大きさなので、撮影は結構大変だ。

笹でつつくと上向きに逃げて
また、下向きに戻ってくる

また、アオバハゴロモの幼虫は、ロウのトゲの他に、細かな白いロウの粉を吹く。
おかげで、木の幹も真っ白にカビが生えたような感じで、
リンゴのヘタなどにこれが付くと商品価値も落ちるので嫌われているらしい。

こっちは、ロウの粉なのおかげで形態が良く判らないが、やっぱり笹でつついて走らせてみると、
足が出てきて、目もはっきりと確認できる。更に、お尻を上げた瞬間には、
ベッコウハゴロモの幼虫と同様のロウの尻尾を持つことも見えてきた。

今日は暑かったので、日陰でこんなことして、遊んでいました、


2005年06月22日

キアゲハ1号の羽化(3)

(木原 章 : 2005年06月22日 14:11)コメント (1)

週末、土日と働かされたので、火曜日は勝手に大学休みました。今年は、火曜と金曜の授業が無いので、ヒマな時(等無いはずなのですが)は午前中よく長池公園に出没しています。

柵越えOBのノハナショウブを見てみたり、アゲハの写真を撮ったり、クロアゲハの写真を撮り逃したり、まだ誰も掘っていないオサムシタケの場所を見つけてみたり、等々公園内を散策していました。

里山地区へ降りて行こうと言う道の途中で、ふとあぜ道にたたずむ「サナギ観察員」を発見(22日12:00)。なにやら、予感がしたのですが、先程まで追っかけていたアゲハとはまるで違う、たたずむアゲハの観察でした。

結局、動かないキアゲハ君が動くまで、その場にいる事になります。その間、オカトラノオのツボミを撮ったり、近づいてくるマメドクガの写真をこわごわ撮ってみたり。

午後1:15、あれっ!観察中のキアゲハ1号が消えています!と、天からヒラヒラ舞い降りてきて、近くの草につかまりました。なんて綺麗に羽を広げているのだろう。(というよりも、これで帰れる、と言う感激の方が大きかったして)

と、5分後、また別の草に飛び移ると、羽を閉じて「たたずむアゲハ」に戻っていました。
まっ、とにかく飛んだからいいや!お腹がへったし、水も切れて、熱中症になるのを待つばかりなので、帰宅する事に致しました。

帰宅後は、昼飯食べて、シャワー浴びて、昼寝して...あ〜、いい休日でした。長池公園のおかげで、休みは買い物なんて発想が無くなってしまいました。


2005年06月02日

エゴノキは残った?

(木原 章 : 2005年06月02日 14:37)コメント (1)


今日、公園を散歩していたらエゴノキの花が空中浮遊していた。
どうやら、落ちてきた花がクモの巣か何かに引っ掛かっているらしいが、その正体は見えない。

最近、近所で噂になっているササの花がここでも咲いたのかと思ったら、やはりエゴノキの花が落ちて、形良くササの上に鎮座している。
どれも良く見てみると、雌しべが無い。

5月12日に未だツボミだったエゴノキの花は、5月下旬に一斉開花し、山を白く染めていた。桜の時はあれほど騒ぐ人々は、余り見向きもしないようだが、一斉開花の迫力は桜に勝るとも劣らない。

空中浮遊のエゴノキの花を撮影していても、次から次へと花が落ちてきて頭にぶつかってくる。小生の頭に、今更花を咲かせても、何も起こらないのだが...
と良く木を見てみると、チャンと雌しべだけは残っていた。昔授業で、Y染色体のDNA解析の話をしたが、どうもオス特有の遺伝子は数個しか無いらしい。空しいので、もう授業項目からは外してしまったが、ここでも雄しべはどうやら使い捨てのようだ。やはり、生殖の根幹を担う性の力には脱帽である。


2005年05月31日

6月のシジミチョウ−5月の勉強会ー

(木原 章 : 2005年05月31日 18:36)コメント (0)

アカシジミ
【シジミチョウ科/Japonica lutea】
赤いシジミチョウ。
6月上旬に年1回だけ発生する。
長池公園では、築池と長池の間の遊歩道沿いで見られる。
夕方、活発に飛翔する。
平地性のゼフィルス(ラテン語で西風、そよ風の意味で、ミドリシジミ類の総称)。




ウラナミアカシジミ(裏波赤蜆)
【シジミチョウ科/Japonica saepestriata】
翅の裏側に波模様のある赤いシジミチョウ。
食樹はクヌギやコナラ。
アカシジミよりやや遅れて、6月中旬に年1回だけ発生する。
クリの開花期と発生期が同じで、クリの花に来ることが多い。
長池公園では、築池と長池の間の遊歩道沿いで見られる。
夕方、活発に飛翔する。
平地性のゼフィルス(ラテン語で西風、そよ風の意味で、ミドリシジミ類の総称)。


オオミドリシジミ
撮影日:2004/06/12 長池公園
梅雨に入る頃雑木林の縁のコナラの木の高い場所で縄張りを張って他のオスが近寄ってくると激しく追い立てます。羽の表側は美しい金属光沢を持った緑色をしていますが、光の当たる角度によっては青みを帯びて見えたりもします。600mmの超望遠レンズを使ってコナラの葉に止まっているところを撮影しましたが、下から見上げる位置からでは翅の表側はチラリとしか見えないのが残念です。


ミズイロオナガシジミ
撮影日:2004/06/5 長池公園
5月末から6月上旬頃に羽化して姿が見られるようになります。長池公園では数は多く、あちらこちらで羽化直後の固体を下草の葉の上などの地表近くで間近に見られる機会が結構あります。翅の表側は上の写真でも少し写っていますが、地味な黒っぽい灰色をしています。オオミドリシジミもミズイロナガシジミも幼虫はコナラの葉を食草としています。


6月の野草−5月の勉強会ー

(木原 章 : 2005年05月31日 18:09)コメント (0)

ホタルブクロ
【キキョウ科ホタルブクロ属/Campanula punctata】
和名の由来は、子供が花の中に蛍を入れて遊ぶからという説と提灯(ちょうちん)の昔の呼び名「火垂(ほた)る袋」によるという説があります。丘陵や山地に生える多年草で長池公園では6〜7月にいたる所で咲いているのが見られます。花の色は白色〜淡紅紫色で鐘形をしています。  変種にヤマホタルブクロがあり、相違点は、ホタルブクロは萼片の間に反り返る付属片がありますが、ヤマホタルブクロにはそれがなくてそこに膨らみがあることです。
日本全土及び朝鮮、中国に分布しています。


オカトラノオ
【サクラソウ科/Lysimachia clethroides Duby】
和名は「岡虎の尾」の意味で、日当たりの良い丘陵によくみられ、花穂の様子が獣の尾に似ていることから。高さ60cm〜100cmになる多年草で、地上茎の頂きに一方に傾いた花序をつけ、6月から7月にかけて花を咲かせる。北海道〜九州、朝鮮・中国に分布する。


タカトウダイ
【トウダイグサ科/学名:Euphorbia pekinensis Rupr.】
高さ50〜80cmになる多年草で、林縁や草原に生育。形態の変異が非常に多く、分類が難しい植物の一つ。花は花弁や萼が無く、1個の花のように見えるのは、実は複数の花が集まった花序。有毒植物だが、漢方薬として用いられることもある。


イチヤクソウ
【イチヤクソウ科/学名:Pyrola japonica Klenze】
林床に生える多年草で、6月頃、15〜30cmの茎に数個の白い花を咲かせる。その葉が薬用に用いられたことが、「一薬草」という名の由来。その可憐な印象が山野草愛好家に好まれるが、根に菌が共生する「菌根植物」で、栽培は非常に困難。林の中で見つけたら、そっとしておきたい。


6月の木−5月の勉強会ー

(木原 章 : 2005年05月31日 17:45)コメント (0)

いよいよ、生き物図鑑を作る会のボランティア組織「勉強会」では図鑑作りに向けて歩み始めました。

6月に観察される生き物18種類についての、勉強会でのまとめです。


ネムノキ(合歓の木)
【マメ科/学名:Albizia julibrissin】
ネムノキという名前の由来は、葉が夜の間は閉じて「眠る」ことから。6〜7月にピンク色のポンポンのような花をつける。ひとつのポンポンは10〜20個の花の集まりで、赤い糸は雄しべ、白い糸は雌しべ。花びらは下の方に小さくついている。


ホオノキ(朴の木)
【モクレン科/学名:Magnolia obovata】
直径15〜20cmの花が5月初めから咲いており、よい香りが漂う。葉がとても大きく、40cmほど。昔はこの葉に食べ物を盛った。飛騨地方には今も、ホオノキの葉に山菜や味噌をのせて炭火で焼く「朴葉味噌」という郷土料理がある。木材は下駄、漆器、楽器などに使われ、樹皮は漢方薬になる。


ニガイチゴ
【バラ科キイチゴ属/Rubus microphyllus】
高さ30〜90pの落葉樹で、細かいトゲがある。
葉は広い卵形で浅く 三分裂することが多いが、切れ込みのないものもある。
花は5弁で花びらは細く、上向きに咲く。
果実は熟すと赤くなり食べられる。
果肉部分は甘いが、粒の中にある核に苦みがあり、それが名前の由来になっている。 
比較的あれ気味の土地や山野の斜面が崩れたような場所に多く見られる。
花期 4〜5月   果期 6〜7月


モミジイチゴ
【バラ科キイチゴ属/Rubus palmatus var. coptophyllus】
高さ1〜2mの落葉樹で、全体にトゲがある。
葉がカエデの葉に似ているところからこの名前がついた。 前年の枝の葉腋に花枝を出し、若葉と同時に2〜3pの5弁の花が下向きに咲く。

キイチゴと呼ばれものの多くは本種であり、果実は熟すと甘みがあり美味しい。 
(食べるときには中に虫かいないか確認しましょう)
花期 4〜5月   果期 5〜7月


2005年05月22日

ヤブヘビイチゴの実を探しつつ...

(木原 章 : 2005年05月22日 17:52)コメント (1)

昨日、勉強会のメンバーでもある登坂さんと、秀さんと公園でヨツボシトンボの産卵などを観察した。その帰り道で、登坂さんが「これがヤブヘビイチゴですね。」と教えてくれた。更に、そのすぐ横にはヘビイチゴが生えている。おりしも、5月の勉強会の課題としてボツになった「ヤブヘビ」課題の題材がそこに広がっていると言う訳だ。
そこでこの週末に、ヤブヘビイチゴとヘビイチゴの比較・研究を行うことになった。
(以下に示した写真では、すべて左側がヤブヘビイチゴ、右側がヘビイチゴに成るように配置した。)
まず初心者として、花から比べるのが順当だろう。
そこで、とりあえず花を撮ってみた。たまたま、花の位置から斜め上から撮る事になったが、帰宅してインターネットで調べてみると、「副萼片」と言う萼片の下側に花びらと同一位置に広がる構造物の違いが特徴として判明した。確かに写真で見ると一目瞭然で、左のヤブヘビの方は副萼片の存在感が著しい。なんてことない!ピースオブケークでは無いか!これほど簡単に2つの種を区別できるとは知らなかった!


翌日、イチゴの果実の写真撮影に出かけた。小生としては珍しく9時には現地到着。まずは、昨日のヤブヘビのチェックに行ってみた。...と、せっかく覚えたはずの判別法が使えない事態に遭遇してしまった。どちらの花も朝は閉じているのだ。その結果、どちらも副萼片が著しく開いて見える。せっかく覚えた判別法が、ここでは使えない!特にヘビイチゴの萼片は花びらと一緒に閉じ、大きさの判別が難しい。


そこで、今度は葉の形態比較を行ってみた。色の違いや大きさの違いが良く図鑑などに書かれているが、フィールドでどちらか一方だけを見た場合、その手の形態比較は使えない。はっきりと区別できる形態の違いを見いださなければ。
葉の形を見る限りは、どうやら区別は難しそうも無い。...と隣り合って生えている両種を比べて思った。写真を見れば判るように、明らかにヤブヘビイチゴの葉の方が先端がとがっている。しかし、実はこの「決定的」とも思えた形態も、葉が閉じかかっている時は判別が難しいことを、後で経験することに成る。ヘビイチゴの葉が、微妙に閉じた状態で生えている場合、きちんと展開して形態を比べないと、一見先端がとがって見えるのだ。


昨日、園内のイチゴと言うイチゴを片っ端から採ってスーパーの袋に詰めているアベックが居た。ヤブヘビイチゴの実は、中身がスカスカで食べてもうまくもなんとも無いと言われているが、少なくとも歩道沿いに咲いているヤブヘビイチゴの果実は一つも見つけられない。なんとか、薮に隠れた綺麗な果実を一つ見つけることができた。ヘビイチゴの実は小さいせいも有って、いくつか残っていた。そこで、果実の拡大比較写真である。ヤブヘビイチゴ(左)の果実の表面は赤色で、ツブツブ(種子)の突起の表面はテカりが有って滑らか。ヘビイチゴでは、果実の表面が白っぽく、ツブツブの表面には更にツブツブが...と図鑑通りの違いを写すことができた。とは言え、フィールドで肉眼でこの判別をすることは、少なくとも40歳の後半に達している人間には無理である。やはり、ルーペを携帯する習慣を付けた方がよさそうだ。


さて、そこで練習問題。本日の課題研究の最後に出会った「黄色い花」です。これは、ヤブヘビイチゴでしょうか?それともヘビイチゴでしょうか?撮影の角度のせいか、副萼片が微妙に大きく見えています。葉の形は、これも撮影の角度も関係して先がとがって見えています。
小生の結論は「ヘビイチゴ」です。実は、この花を斜めから撮影した写真で、副萼片が明らかに萼片より小さかったからです。
うん、植物の分類は、そうかんたんでは有りません。
(本日の観察種)
田仲、登坂、登坂ジュニア


2005年05月13日

倒された道標

(木原 章 : 2005年05月13日 21:49)コメント (0)

DSC_4396.JPG
石でできた道標が引き抜かれていました。相当の怪力の持ち主か、てこでも使わないと無理な代物です。一体、何のために....