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2005年08月24日

夏はツル性植物

(木原 章 : 2005年08月24日 15:34)コメント (0)

「植物の名前を覚えるには、どうすれば良いか?」と、人から聴かれても、自分でも苦労しているのでなかなかこれと言った方法は無いようです。結局、英語と同じで、日々植物に接することこそ重要でしょう。そのためには、自分のフィールドを持つと言うのが先ず大切です。長池公園は、そんな私にとっての大切なフィールドになりつつあります。

では、公園に行って覚えるか、それとも図鑑で覚えてから公園で確認するか?どっちも、大切なようですが、タダ、行き当たりばったりの出会いに頼らずに、自分なりのテーマを設定すると良いようです。

春や秋に比べて、真夏の公園はなかなか見栄えの良い花とは出会えません。しかし、よくよく見ていると、春先から背を伸ばしてきた植物に、後から出てきたツル性の植物がからみついて、太陽の光をもぎ取らんとばかりに繁茂していることに気づかされます。

ヒルガオは、その花がツル性としては大きく派手なのですぐに見つかります。同じヒルガオ科のコヒルガオとの区別が、ちょっと難しい!最近は、コヒルガオの方が多いようです。

ヒルガオとは逆に、小さくて可憐な花をつけるのが、ツヅラフジ科のカミエビです。7〜8月にかけて、林の縁などを見ていると、垂れ下がって生えていることがあります。

ヤブガラシは、ヒザから下ぐらいの比較的低い位置で花を咲かせます。にょきにょきと、ツルで茂みから頭をのぞかせています。

ヘクソカズラは、7〜8月の間繁茂し、思わぬ木陰から頭を出して垂れ下がってきます。夏中目につく花の一つです。

ヤマノイモ科のオニドコロも、腰くらいの高さを中心として、日当たりの良い所に生えた、ありとあらゆる植物に巻き付き、繁茂します。その花の形は、小さく可憐で、よく見ないと花とは気づきません。

同じヤマノイモ科のヤマノイモも、オニドコロとよく似た花を咲かせています。とは言っても、実は私未だ意識して撮影していません。今後のテーマの一つです。

マメ科のツル性の代表選手はクズでしょう。6月後半から急激に勢力を伸ばし、ネムノキなどの中木は、そのてっぺんをクズに覆われてしまうくらいです。8月には、多くの花を咲かせ、独特の香りを放ちます。

マメ科のトキリマメは、8月中旬に黄色いマメ科特有の形をした花を咲かせます。トキリマメは、夏の内に場所を覚えておくと、冬場に綺麗な赤いさやに収まった黒い豆を発見することができるはずです。9月にかけては、ヤブマメツルマメヤブツルアズキなどのマメ科のツル性植物が花を着けるようです。このあたりは、今後の宿題です。

ウリ科のアマチャヅルも、8月に小さな星状の花を着けます。カラスウリスズメウリも、長池公園では見つけられるようです。

ガガイモ科のガガイモも、派手に成長し、でもあまり派手では無い花を着けています。コバノカモメヅルも、同じガガイモかで、夏に花を咲かせます。

他にも夏から秋にかけて繁茂するツル性の植物が多く花を着けています。どれだけ覚えられるか、チャンス到来と言った感じです。



2005年08月23日

長池公園にヒメキンミズヒキは有るのか?

(木原 章 : 2005年08月23日 17:28)コメント (2)

2004年10月に撮影したキンミズヒキと思われる花の写真を「ヒメキンンミズヒキ」として投稿した。その時は、その場にいた専門家の同定に従ってそうしたのだが、一年経って公園を歩いていても一向にヒメキンミズヒキを見かけない。

そこで、夏休みの旅行先で、キンミズヒキと、明らかにヒメキンミズヒキと判る花の撮影をしてきたので、その違いをもう一度考えてみる事にした。

キンミズヒキとヒメキンミズヒキの違いは、ネットで調べると、下記のようだ。

キンミズヒキヒメキンミズヒキ
形態的特徴小葉が5〜11枚で、先端が尖っている花も,植物全体も小さい。小葉は3〜5枚で先端は鈍い。
全体写真
花の特徴花の径が8〜10mmで、雄しべの数が10〜13本、花弁の幅が広く、果実は径4mmほどである。花は小さく径5〜7mmで、雄しべの数は5〜6本、果実は径2mmほどである。花弁が細い。花序につく花の数が少ない
花の写真

さて、以上の違いに基づいて、問題の写真を見てみよう。

大きい、小さいは、写真からは判らない。葉のとがり具合は、実は上記の写真でも良く判らない。しかし、花びらの形態は、あきらかにキンミズヒキだ。

と言う事は、他に例が出てこない以上、現時点では長池公園ではヒメキンミズヒキの生息は未確認と言うことのようだ。

参考サイト:
ヒメキンミズヒキ
キンミズヒキ